新型コロナ感染症が確認されてから1年以上が経過し、私たちの生活も大きく変わりました。外出制限や自粛などからお墓参りができず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
最近までは故人の遺骨を埋葬するのが、基本的な供養方法でした。実は今、供養の方法が見直されており、手元供養する方が増えているのです。
そこで今回は、手元供養の疑問点について解説していきます。手元供養について理解を深めれば、心落ち着く供養ができるでしょう。
遺骨は持ち帰っても違法にならない?

火葬後、遺骨を持ち帰っても違法にはなりません。墓地、埋葬等に関する法律では
「埋葬または焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に行ってはならない。火葬は、火葬場以外の施設で行ってはならない」と定められています。
出典:厚生労働省 墓地、埋葬等に関する法律の概要
つまり自宅の庭などに埋葬しないのであれば、火葬後の遺骨を自宅に持ち帰っても構わないのです。
手元供養はよくないの?成仏しないのでは?

納骨をせず遺骨を持ち帰るため「よくないのでは?成仏しないのでは?」と思う方がいらっしゃいます。ここからは成仏の意味や納骨についてくわしく解説します。
成仏とは?成仏の意味について
成仏とは、現世に未練を残すことなく仏になることです。本来成仏とは煩悩が消え悟りを開いた状態で仏陀になることですが、日本における仏教の考えでは、死してのち極楽に生まれ変わる意味で使われています。
死者の霊魂がいつまでもさまよい続ける状態を「成仏できない」としています。
成仏するのはいつ?四十九日
成仏を死してのち極楽に生まれ変わる意味としてとらえるなら、一般的な日本の仏教では四十九日のタイミングで成仏するとされています。初七日から四十九日までをみていきましょう。
- 初七日:7日目……三途の川を渡るとされ殺生について問われる
- 二七日:14日目……盗みについて問われる
- 三七日:21日目……不貞について問われる
- 四七日:28日目……うそをついていないか問われる
- 五七日:35日目……閻魔大王が罪状について問う
- 六七日:42日目……生まれ変わる条件を加えられる
- 七七日:49日目……行く先が選ばれる
初七日から7日ごと四十九日まで、故人はどの世界に行けるか裁きを受けるのです。裁きをもって故人が現世をさまよう間が終了するため、成仏するとされています。
納骨をしなくても成仏する?
日本における一般的な仏教の教えでは、四十九日をもって裁きが終了します。裁きが終了すれば故人が現世をさまよう間も終わることから成仏としています。
つまり「納骨をしないから成仏できない」ことはないのです。現世を故人の霊魂がさまよい続けることはないとされているので安心できますね。
納骨しないのはどんなとき?
納骨をしないシチュエーションにはさまざまな理由があります。たとえば以下のようなシチュエーションが考えられます。
- 流産や死産で子を亡くした
- ペットを亡くした
- ずっとそばにいたいから
流産や死産の場合「何もしてあげられなかった」「何かしてあげたかった」と思いが強く、手元で供養したいと願う方が多いようです。
ペットを亡くされた方や大切な人を亡くした場合、なかなか思いをふりきれることがなく「ずっとそばにいたい」ことから手元供養を望まれる方が多くいらっしゃいます。
手元供養の方法

納骨をしない方法に手元供養があります。ここからは手元供養の方法について解説します。
遺骨を骨壺に入れて供養する
手元供養として一般的になりつつある方法です。遺骨をすべてまたは分骨しミニ骨壺に入れ手元供養をします。ただし場合によってはカビが生えることも……。
カビを防止するにはしっかりとフタがしまるタイプの骨壺が安心です。粉骨し不純物を除去したうえで真空状態にする場合もあります。
遺骨をアクセサリーにして持ち歩けるようにする
遺骨を宝石に加工しアクセサリーにする方法や、カプセル状の入れ物に入れネックレスにする方法もあります。ただし落としてしまうこともあるので、持ち歩くときは注意が必要です。
手元供養をはじめるためにそろえるもの

手元供養を行う際にそろえておきたいものをご紹介します。
手元供養セット
手元供養ならセットで買いそろえるのもよいでしょう。統一感がありインテリアになじむからです。コンパクトな仏壇タイプや、一見すると仏壇だとは気づかないタイプのセットもあります。
小さなおりん
おりんは、セットに含まれている場合がほとんどです。ですが、音色にこだわりたい方は別購入をおすすめします。
毎日使うものだからこそのこだわりもありますよね。最近は仏具店や通信販売でも手元供養に最適なアイテムを数多くそろえるようになりました。
まとめ

手元供養を行う際、故人の遺骨は自宅に持ち帰れます。国が定める法律では違法とはなりません。納骨しなくても成仏するとされています。
「いつも一緒にいたいから」と故人を偲び感謝の念を込めながら手を合わせることが供養です。
家具といのりでは、暮らしになじむシンプルなデザインをモットーに、さまざまな手元供養のアイテムを取り揃えております。あなたも大切なひとりだけの時間を故人に寄り添ってみませんか。ぜひ私どもにご相談ください。